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繰り返す下痢、スッキリしない… 鍼灸治療で自然な改善を【東洋医学×西洋医学】

  • 執筆者の写真: josuianshinkyu
    josuianshinkyu
  • 4 日前
  • 読了時間: 10分

下痢


「下痢が続いてつらい…」「なかなか下痢がスッキリ治らない」「薬に頼りたくないけど、自然な方法で改善できないかな?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。


なかなかデリケートな問題で、友人や家族などにも、相談しにくいですよね。


鍼灸治療が下痢の改善に役立つことをご存じですか?


鍼灸というと、腰痛や肩こりなど、痛みに特化した治療法のイメージがあるかもしれませんが、実は下痢の様な消化器系の問題にも、アプローチすることができます。


東洋医学では、下痢は体のバランスの乱れや内臓の機能低下などが原因と考えられています。


鍼灸は、その原因にアプローチし、自然治癒力を高めることで、症状を和らげる効果が期待できます。


本記事では、下痢に関する基礎知識や、東洋医学ではどのように考え、どういう治療を行うのか?を簡単ではありますがご紹介します。


目次

1. なぜ下痢が起きるのか?【西洋医学的メカニズムを解説】

西洋医学的診断

下痢とは、便の水分量が異常に増加し、排便回数が増える状態を指します。


通常、健康な人の便は、約70~80%の水分を含み、適度な固形性を保っていますが、下痢の場合、この水分量が90%以上に増加し、便が水状または泥状になります。


この状態は、消化管における水分吸収の低下、水分分泌の増加、または消化管内容物の輸送速度の異常な亢進によって引き起こされます。


消化のプロセスと下痢の関連

人間は、口から摂取した食物を、以下のプロセスを経て便として排出します。

  • 胃: 摂取した食物を胃酸と消化酵素で粥状に分解します。

  • 小腸: 主に栄養素を吸収し、残りの内容物を大腸へ送ります。この段階で、内容物はまだ液状に近い状態です。

  • 大腸: 小腸から送られてきた内容物から、水分を吸収し、便を固形化します。また、腸内細菌による発酵も行われます。


下痢は、この一連の消化過程のいずれかの段階で異常が生じることで発生します。例えば、

  • 小腸での水分吸収が不十分な場合: 感染性腸炎などで小腸粘膜が炎症を起こすと、水分吸収能力が低下し、水分の多い便が大腸へ送られます。

  • 大腸での水分吸収が不十分な場合: 大腸の炎症や機能異常により、本来吸収されるべき水分が便の中に残ってしまいます。

  • 消化管の蠕動運動が異常に亢進した場合: 何らかの原因で腸の動きが速すぎると、水分が十分に吸収される前に便が排出されてしまいます。

  • 消化管内への水分分泌が過剰になった場合: 細菌毒素などが腸管粘膜を刺激すると、水分分泌が促進され、便の水分量が増加します。


2. 下痢の種類【西洋医学的分類】

西洋医学では、下痢は主にその持続期間と原因によって分類されます。

  • 急性下痢: 急に発症し、通常数日から1週間程度で自然に治まる下痢。主な原因は、ウイルス性腸炎、細菌性食中毒、薬剤の副作用などです。

  • 慢性下痢: 4週間以上続く下痢。原因は多岐にわたり、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、吸収不良症候群、内分泌疾患などが考えられます。

  • ストレス性下痢: 精神的なストレスや緊張が原因で起こる下痢。過敏性腸症候群(IBS)と深く関連しています。

  • 感染性下痢: 細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体の感染によって引き起こされる下痢。食中毒などが代表的です。


3. 下痢の原因【西洋医学的視点】

下痢の原因は非常に多岐にわたります。主なものを以下に示します。

  • 感染症:

    • ウイルス性腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)

    • 細菌性食中毒(サルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌など)

    • 寄生虫感染(ジアルジア、アメーバなど)

      日本感染症学会の、感染性の下痢に関するページはコチラ

  • 食中毒: 細菌やウイルスに汚染された食品、毒素を含む食品の摂取。

      厚生労働省の食中毒に関するページはコチラ

  • 薬剤の副作用: 抗生物質、下剤、一部の鎮痛剤、抗がん剤など。

      厚生労働省の薬剤の副作用の下痢に関するマニュアルはコチラ

  • 消化器系の疾患:

    • 過敏性腸症候群(IBS)

    • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)

    • 吸収不良症候群(乳糖不耐症、セリアック病など)

    • 胆汁酸吸収不良

  • ストレス: 精神的なストレスや緊張による自律神経の乱れ。

  • その他: 冷え、食べ過ぎ・飲み過ぎ、食物アレルギー、甲状腺機能亢進症など。


4. 下痢の症状【西洋医学的症状】

下痢の主な症状は、水っぽい便や泥状の便が頻繁に出ることですが、以下の症状を伴うことがあります。

  • 腹痛(痙攣性の痛み、鈍痛など)

  • 吐き気、嘔吐

  • 発熱

  • 脱水症状(口渇、めまい、倦怠感、尿量減少など)

  • 腹部の張り、膨満感

  • 血便(感染症や炎症性腸疾患の可能性)


5. 下痢の際の食事や生活習慣のアドバイス

下痢の際には、消化器への負担を減らし、脱水症状を防ぐためのケアが重要です。

  • 水分補給: 経口補水液や薄めたスポーツドリンク、麦茶などでこまめに水分を補給し、脱水を予防しましょう。

  • 消化の良い食事: おかゆ、うどん、柔らかく煮た野菜、白身魚など、消化に良いものを少量ずつ摂りましょう。

  • 避けるべき食品: 脂っこいもの、香辛料などの刺激物、アルコール、カフェイン、乳製品(乳糖不耐症の場合)、生ものなどは避けましょう。

  • 安静: 体を休ませ、無理のない範囲で過ごしましょう。

  • 腹部を温める: 腹部を温めることで、腸の蠕動運動が落ち着き、症状が緩和されることがあります。

  • 自己判断での下痢止め薬の使用は控える: 特に感染性の下痢の場合、自己判断で下痢止め薬を使用すると、病原体の排出を遅らせ、回復を遅らせる可能性があります。医師または薬剤師に相談しましょう。


6. 医療機関を受診する目安【重要な判断基準】

以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

  • 激しい腹痛や嘔吐を伴う場合

  • 高熱が出た場合(38℃以上)

  • 血便が出た場合(鮮血便や黒色便)

  • 脱水症状がひどい場合(意識が朦朧とする、尿量が極端に少ないなど)

  • 下痢が長期間続く場合(4週間以上)

  • 乳幼児や高齢者の場合


7.なぜ下痢が起きるのか?【東洋医学的メカニズムを解説】

東洋医学的診断

東洋医学では、下痢は「腹瀉(ふくしゃ)」と考えられています。


西洋医学と同様に、胃(い)、脾(ひ)、小腸(しょうちょう)、大腸(だいちょう)といった臓腑が消化吸収に関わると捉えられていますが、その機能や病気の捉え方に独自の特徴があります。


東洋医学では、飲食物の消化吸収は主に脾(ひ)の働きによると考えられています。


脾は、飲食物から栄養を吸収し、全身に運ぶ「運化(うんか)」という重要な役割を担っています。また、胃(い)は飲食物を受け入れ(受納)、 消化(腐熟)機能を持ちます。


下痢は、この脾の運化機能が低下したり、湿邪(しつじゃ)、寒邪(かんじゃ)、熱邪(ねつじゃ)といった外邪の侵入、飲食の不摂生、精神的なストレスなど、様々な要因によって消化吸収のバランスが崩れることで起こると考えられます。


東洋医学では、潰瘍性大腸炎や、過敏性腸症候群(IBS)の様な診断名はありません。


あくまで「下痢」という症状に対して、治療を行うのですが、東洋医学的にどういった診断名があるのか、治療方法があるのかを書いていきたいと思います。


8. 東洋医学的な下痢の分類(弁証):あなたの下痢はどのタイプ?

  • ジメジメ・ベタベタ下痢 湿熱の腹瀉

    • 原因:高温多湿の環境などで湿熱の邪が、胃腸を障害して、消化吸収がうまくいかないことで発生

    • 特徴:黄褐色の水様便、強い臭い、肛門の灼熱感、腹鳴を伴う腹痛、排便切迫感

    • 治法:清熱化湿(体内の余分な熱を取り除き、停滞した水分や湿気を解消する)

  • 冷えとお腹ゴロゴロ下痢 寒湿の腹瀉

    • 原因:寒湿の邪により、胃腸の働きが障害され、消化吸収がうまくいかなくなることで発生

    • 特徴:腹鳴を伴う水様便、臭いがない、温めると軽減、腹部膨満感、口渇がない

    • 治法:温中散寒(胃腸(中焦)を温めて冷え(寒)を追い払う)

  • 食べ過ぎ・ゴロゴロ消化不良下痢 食積の腹瀉

    • 原因:脂物、生物、冷えた物などの食べ過ぎにより、消化吸収がうまくいかず、食べ物が胃腸に留まることで発生

    • 特徴:腹部膨満感、腹痛(排便後に軽減するが繰り返す)、水様便(腐卵臭)、不消化物の残渣、腐臭のある嘔気、胃酸逆流、食欲不振

    • 治法:消食導滞、健脾和胃(停滞した食べ物の消化を促進し、流れを良くすることで、胃腸の働きを整える)

  • ストレスお腹ピリピリ下痢 肝脾不和の腹瀉

    • 原因:精神的ストレスや緊張などが、胃腸の働きを低下させ、消化吸収がうまくいかなくなることで発生

    • 特徴:上腹部の軽度の張り、水様便(不消化物を含む)、排便後の腹痛悪化、精神的ストレスによる誘発、両脇部の張り、遊走性の痛み、食欲不振、胃酸逆流、げっぷ

    • 治法:疏肝健脾(気の巡りを良くしてストレスによる滞りを解消し、胃腸の働きを助ける)

  • 便秘からのチョロチョロ水様便 熱結傍流の腹瀉

    • 原因:風邪や飲食不節により胃腸に熱がこもり、胃腸の働きが低下した状態

    • 特徴:便秘後に悪臭のある水様便、腹痛、腹満、圧痛、硬いコロコロ便、排便困難、臍周辺の圧痛

    • 治法:清熱解毒(体内の余分な熱を取り除き、有害なもの(毒)を排出する)

  • 胃腸がかなりお疲れです下痢 脾虚の腹瀉

    • 原因:過度な肉体疲労、精神的ストレス、病後の虚弱、乱れた食生活などにより胃腸の働きが低下し、消化吸収能力が低下

    • 特徴:軟便から水様便、生もの、冷たい物、脂っこい物、消化しにくい物を食べると悪化、食欲不振、食後の膨満感、顔色不良、倦怠感

    • 治法:健脾利湿(胃腸の働きを健やかにし、余分な水分や湿気を体外に出すのを助ける)

  • 明け方に起きる水様便!? 腎虚の腹瀉

    • 原因:肉体疲労や加齢などにより、身体の体力が低下し、胃腸の働きも低下した状態

    • 特徴:早朝の臍周辺の痛み、腹鳴、水様便、不消化便、排便後の改善、腰や膝の怠さ、無力感、多尿、夜間多尿

    • 治法:温腎健脾(生命エネルギーの源である腎を温め、胃腸の働きを助ける)


いかがでしたでしょうか?


これらが単独で起こる場合もあれば、複合的に重なり合って起きる場合などがあります。


9. 【もう悩まない!】当院の下痢治療 - あなただけのオーダーメイドアプローチ

鍼灸如水庵の初診治療の説明

当院は、大宮駅西口より徒歩7分の鍼灸治療院 如水庵です。


東洋医学的に丁寧な問診と診察により、あなたの下痢の原因を突き止めます


初診に3時間頂戴しており、約30分でカルテを記入して頂き、約90分かけて現在の状況、これまでの経過、お持ちの体質などを詳しく問診します。


その後の約60分で、脈の状態、ツボの反応、お腹の状態などを確認し、総合的に東洋医学的な診断をおこなうことで、お一人おひとりのお身体の状態に合わせた、オーダーメイドの治療プランをご提案いたします。


治療法は、鍼またはお灸を、1ヶ所から多くて2~3ヶ所に優しく施術を行います。


身体が本来持つ自然治癒力を高め、つらい下痢の根本的な改善を目指します。


「長年の下痢から解放されたい」「整腸剤に頼らない生活を送りたい」とお考えの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。


また、繰り返す下痢をはじめ、様々なお体の不調に対応しております。


この記事で解説した下痢のお悩みについても、お気軽にご相談ください。



10. 【一歩踏み出すあなたへ】下痢に関する疑問・質問はお気軽に

鍼灸如水庵のご案内

下痢に関するご質問やご不安な点がございましたら、お問合せフォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。


[鍼灸如水庵電話番号]

048-780-2617

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[鍼灸如水庵住所]

埼玉県さいたま市大宮区大門町3丁目150-1カーサソラール大門302 

JR大宮駅・東武アーバンパークライン大宮駅より、徒歩7分


11. 参考文献

  • 『症状による中医診断と治療 上巻』主編:趙金鐸 編訳:神戸中医学研究会 (燎原書店)

  • 『南山堂医学大辞典』著者:株式会社南山堂(南山堂)

  • 『病気がみえるvol.1 消化器』編集:医療情報科学研究所(メディックメディア)

  • 『基礎中医学』著:神戸中医学研究会(燎原書店)


この記事は、大宮駅徒歩7分にある鍼灸治療院『鍼灸如水庵』の[齋藤篤司]が執筆しました。

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